ツアーの常識が変わるってホント?【国内編】

2020/09/17

トラベルズーメンバーの皆さんは普段、どのような方法で旅行を申し込んでいますか?旅行会社が販売しているパッケージツアー商品や宿泊商品を予約したり、移動手段も宿泊も自分で個別に手配したりと、その方法は様々かと思います。

実はこのパッケージツアーのうち、JALとANAの国内線を利用するものは2020年に大きな転機を迎えました。JALとANAが国内線の航空運賃に変動型の新個人型包括旅行運賃(新IIT)を導入したことに伴い、従来の「価格固定型ツアー」からダイナミックプライシング型の「価格変動型ツアー」への移行期間に入ったのです。

なかなか耳慣れないこの「価格変動型ツアー」や「ダイナミックプライシング」という言葉…。初めて耳にした、というメンバーも多いのでは。今後の旅行業界では“新常識”となりうるトピックスであることから、今回は旅人目線で「価格変動型ツアー」とは何か、これからのツアー商品はどう変わるのか、ひも解いてみたいと思います。


■どう変わる? 2020年春、ツアー商品の国内線航空運賃が“変動型”へ

今回注目するのは、航空券や列車代などの移動手段と宿泊がセットになった、旅行会社が提供している国内旅行の「パッケージツアー」。一度の予約で“足”も“宿”も揃う利便性を持ち、個人手配と比較してバツグンのお得度を誇るツアーに出会えることも。トラベルズーで紹介するツアーもこのパッケージツアーが多く、「Top 20」をご覧の方には馴染み深い商品かと思います。

周知の通り、これまでのJAL、ANAを利用する国内旅行のパッケージツアーは、来店日やWebサイトへの検索・アクセス日を問わず、いつ見ても、いつ申し込んでも固定された一定の価格で申し込むことができる「価格固定型」のツアーが中心でした。これは、旅行会社が団体旅行向けの特別料金で仕入れた航空券や切符とホテル施設での宿泊費を組み合わせて販売していたためで、基本は、発売後の値上げ・値下がりはありません。

それが2019年、JALとANAは国内パッケージツアーの航空運賃にも価格変動型の新個人型包括旅行運賃(新IIT)を導入することを発表。これにより、旅行会社は、航空券と宿泊費を固定価格で販売していた従来のパッケージツアーを、変動型の航空券と、固定型の宿泊費を合わせて販売するダイナミックプライシング型価格変動制、変動料金制)に移行させる必要が生じたのです。

価格固定型ツアーは航空券・宿泊費ともに固定だが、価格変動型ツアーの料金は航空運賃が日々変動しており、宿泊費と合わせたツアー料金が常に変動するのが特徴
(図出典:フォルシアの資料を参考にトラベルズー編集部が作成 https://www.forcia.com/blog/001367.html)

航空券の運賃にダイナミックプライシングを適用したツアーは価格型変動ツアーと呼ばれ、フライトの予測残席数や需要予測に応じ航空券運賃が変動し、リアルタイムにツアー料金が変動するのが特徴。ダイナミックプライシング自体はこれまでも航空券とホテルを自由にインターネット上で組み合わせて予約できる「ダイナミックパッケージ」商品に導入されており、JTBやHISなど大手旅行会社で目にしてきたメンバーも多いのではないでしょうか。


■価格変動型ツアーのメリットとデメリット

従来の価格固定型ツアーと比較した価格変動型ツアーのメリット・デメリットは下記の通り。旅行会社によって選べる宿泊施設やマイル特典等が異なり、変動型ツアーをうまく使いこなすには自分のニーズにあった会社経由で申し込むのが鍵となりそうです。

価格変動型ツアーのメリット

  • ホテル・フライトの組み合わせが自由:航空券とホテルを自由に組み合わせて予約可能。従来のダイナミックパッケージツアーと同様に、選ぶ愉しみと柔軟さを持ち合わせているのが特徴です。
  • 24時間365日最新価格表示:リアルタイムで料金が変わるため、常に最新料金が表示されます。店舗で見ても、自宅でも見ても同じため、自宅のデバイスで最新料金を確認できるのが強み。予約日によっては、お値打ち価格で予約できることも(旅好きの腕が試される!?)。
  • 出発の約1年前から予約可能:JALは330日前、ANAは355日前から予約可能。年末年始やゴールデンウィーク、お盆や連休など、人気の日程を早めに抑えられます。
  • 出発間際まで発券可能:従来のパッケージツアーは比較的余裕を持った申込締切が設けられているところ、JAL、ANAともに出発前日まで購入可能(一部を除く)です。

価格変動型ツアーのデメリット

  • 予約後早期にキャンセル料が必要:旅行契約締結後、キャンセル料(航空券取消料)が必要です。出発まで残り日数が少ない場合や、変更およびキャンセルの心配が少ない人なら安心です。
  • 予約の一部変更は不可:価格変動型のため、常に料金は変動しており、フライト、宿泊施設、参加者など、予約の一部のみを変更することはできません。

■価格変動型ツアーを発売している旅行会社

新しい予約スタイルとなる見込みの価格変動型ツアー。春からの導入に合わせ、すでにこの価格変動制に対応したツアーを販売している旅行会社もあります。トラベルズーでも価格変動制ツアーを紹介しているので、気になったツアーがあったらぜひ、チェックしてみてくださいね。

  • JTB「JTBダイナミックパッケージMySTYLE」…宿泊施設は全国約6,900施設から選択可能。復路航空便利用日の186日先まで予約でき、JTBトラベルポイントと航空会社のマイルも貯まります。
  • JALPAK「JALダイナミックパッケージ」:9/2から330日先の帰着分までの予約が可能に。空席があれば「クラスJ」も申込み可能。出発前日23:59まで予約でき、急な出張や外出予定でも安心です。
  • ANAセールス「ANAトラベラーズ ダイナミックパッケージ」…従来のフライトマイルに加え、旅行代金100円につき1マイルの「ツアーマイル」が別途加算されるのがポイント。“マイラー”にはメリットがありそうです。
  • スカイツアーズ:「価格変動型」の表示があるツアーが目印。固定型ツアーと比較検討できるため、固定型より遥かにお値打ち価格で予約できることも。
  • 沖縄ツーリスト北海道ツアーズ:「変動型」と「固定型」のツアーを一目で区別できる見やすが特徴。24時間いつでも予約でき、タイミングによっては羽田~新千歳ANA利用、札幌泊2日間ツアーが2万円未満など、お値打ちツアーに出会えることも。

トラベルズー掲載中の変動型ツアー

 


まだまだ慣れない価格変動型ツアーですが、うまく活用すれば価格固定型のパッケージツアーよりお得に予約することが可能。個別手配に慣れ親しんだメンバーには違和感なく受け入れられるだろう反面、私のようにお値打ちなパッケージツアーを探し出すのが趣味の旅人にとっては少々寂しくもあるかも。その分、今後は料金を見極めて予約する“お宝さがし”感覚を得られそうで、予約する楽しみが増えるようにも思っています。

なお、トラベルズーはいち早く価格変動型ツアーを紹介中。本Storyとあわせてチェックいただければ嬉しいです。

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Aki Sato:
ジャンクフード・競馬・落語・講談を愛する旅行業界出身の元ニュース編集者。海外旅行ウィッシュリストNo.1(9/18時点)はベルギー・ブリュッセルのフライドポテト博物館。


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