バーチャルツアー最前線
自宅にいながら海外旅行気分が味わえることで人気の「バーチャルツアー(オンラインツアー、リモートトリップ)」。トラベルズーメンバーの皆さんはもう体験されましたか?今年の4月頃から注目を集めるようになり、その在り方や対応エリアは約半年が経った今も現在進行形で進化中。対応できる国・地域も拡大されており、一度参加したまま足が遠ざかっていた旅好きにこそ、ぜひもう一度楽しんでいただきたい体験のひとつです。
今回はそんな、イマドキの“オンライン旅行”事情をお届けします。
■百花繚乱バーチャルツアー
時差や長距離移動による負担がなく、時間や場所を問わず参加できるバーチャルツアー。新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延により海外旅行を諦めざるを得ない状況となったなかで、気軽に「海外旅行気分を味わえる!」と評判になりました。
注目され始めた当初は、動画や写真、スライドを用いて現地のオプショナルツアーと同じ行程を紹介する講義形式のツアーが多かったところ、最近では従来の形にとらわれない“新しいバーチャルツアー”も誕生し始めています。それは例えば…(順不同)
- お土産型:参加申込み後、自宅にツアー先のグルメ商品が届き、お菓子やコーヒー・紅茶、海産物やブランド牛などに舌鼓を打ちながら参加できるタイプのバーチャルツアー。海外が対象のオンラインツアーの場合、輸送に時間を要することから、国内バーチャルツアーに比べ申込み締切が早いのに注意。阪急交通社、SHIMA FACTORY、政府観光局などが主催するツアーで参加可能です。国内グルメに特化した「おうちソクたび」も種類が豊富。
- ライブ配信型:現地からの生中継映像を用いたバーチャルツアー。車の音や小鳥のさえずり、街の喧騒までリアルタイムで体感できることから、現地の“今”に迫りたい旅好きにオススメ。海外中継の場合、日本時間では早朝や夜に開始されるものも。「Travel At Home」、阪急交通社、HISなどで同様の形式に参加可能。中継場所は、観光名所やショッピングストリート、動物園など様々。
- ワークショップ型:絵画や語学、伝統工芸や歴史など、その道のスペシャリストが講師を務めるセミナー&体験形式のバーチャルツアー。キットが自宅に届き、講師の説明に沿って手芸や織物などを進める体験系から、メイクアップのコツや現地語を伝授するセミナー系、さらには本格的な連続講義形式を採る"大人の学び直し"系まで幅広く展開されているのが特徴。ベルトラの「オンラインアカデミー」やHISなどで参加可能です。
- オーダーメイド型:訪れる場所や日時も全て自分でカスタム可能なフルオーダー型と、予め決められたテーマのなかで自由にリモートショッピングやバーチャル散歩を楽しむセミオーダー型の2種類。前者は「Travel At Home」、後者はHISなどが主催する買い物ツアーや占い体験などが該当します。
■オススメは味覚もフル活用の「お土産付きツアー」
数あるバーチャルツアーのうち、旅先では現地グルメにこだわるトラベルズーメンバーにオススメしたいのが、お土産型のバーチャルツアー。目で見て、耳で聞くだけでなく、現地の味を愉しむこともできるとあれば、満足度もアップすることでしょう。実際に9/21(月)に開催されたマレーシア観光局主催のお土産付きバーチャルツアーに参加してきたので、その様子をレポートします。
お土産×ライブ配信、臨場感たっぷりのマレーシア3か所ツアー
今回届いたお土産は、マレーシアで愛されているというホワイトコーヒーのスティック2本と、パッションフルーツフレーバーのBOHティー2袋、伝統模様「プラナカン」デザインのコースター1点。飲んで楽しめるお土産のほか、ローカルガイドやマレーシアの文化事情に迫るフリーペーパーが同梱されており、眺めるだけで旅行気分がぐんぐん上昇。パソコンを用意したら、マグカップにお湯を注ぎ、現地の香りを愉しみながらツアーのスタートを待ちます。
当日の旅程は、人気グループ「超特急」も訪れた首都・クアラルンプール、半野生のオランウータンが生活するボルネオ島・クチンの「セメンゴ野生動物センター」、さらには現在公開中の映画「コンフィデンスマンJP プリンセス編」のロケ地にもなったランカウイ島の5つ星ホテル『フォーシーズンズリゾートランカウイ』の全3か所を巡るという充実の内容。現地へ向かうフライト機内を模した動画も放送され、現地空港ではガイドの方のあたたかい歓迎も。イスラムの慣習にあわせ、参加した女性陣が頭にスカーフを巻き、ヒジャブを体験する場面では一体感も生まれました。
何が起こるか分からない!生中継はいつもドキドキ
ライブ配信型のバーチャルツアーのメリットは、なんといってもリアルタイムに現地と繋がることができる点にあります。その一方、通信環境や天候次第では予想外のハプニングが起こったり、進行に時間がかかったり…ということも。
今回訪れた「セメンゴ野生動物センター」では、まさにその生中継ならではの事態が発生!オランウータンが姿を現さず、施設内を見学するのみに留まったのです。残念ではありますが、「動物だし、自然のことなので仕方ない!」「動物の暮らす保護施設を覗けただけでも貴重だったな」と思い直すことに。カメラは次のライブ中継先、ランカウイ島へ飛びました。
憧れの5つ星ビーチリゾートを覗き見…室内もビーチも歩いてみた
次に訪れたランカウイ島の『フォーシーズンズ リゾート ランカウイ』では、ビーチに面した220平米のヴィラから生中継。エントランスからヴィラへのアプローチ、ヴィラ室内の様子(天井が高い!)などがくまなく映し出されると、参加者からは「素敵!」「行ってみたい!」との声が続出。さらに、総支配人のデイヴィッドさんがスペシャルゲストとして出演くださり、日本語で歓迎メッセージを読み上げる"おもてなし"に触れる場面もありました。
現地を訪れる前に滞在先の室内や敷地内を“予習”でき、お会いするだろうスタッフの方々の顔も見え、渡航に対する安心感がアップするのはバーチャルツアーならでは。わたし自身、「ランカウイを訪れた際はここにしよう!」との気持ちがうなぎ登りとなり、今では宿泊体験記を読み漁る毎日です。
思わぬサプライズ!
リゾートステイ気分が高まってきた、その時!なんと、先ほど会えなかったオランウータンが姿を見せたとの情報が!すぐにカメラが切り替わり、待望のオランウータンにズームイン。
諦めかけていただけに、元気に動き回る姿を目にできた喜びもひとしお。ツアー終盤も、配信クルーの皆さんが貴重な機会を逃すまいと「セメンゴ野生動物センター」にカメラを戻してくだったことで、木の上でじっとしているだけでなく、長い手足を使って木々の間を移動する様子も観察することができました。
フライト体験、街歩き、動物との出会いやリゾートホテルツアーと、盛りだくさんだった今回。その充実感をサポートしたのは、間違いなく“フライト前”のマレーシア旅行気分を盛り上げてくれたコーヒー&紅茶にあります。ちなみに今回の参加費1,000円は、全額「セメンゴ野生動物センター」に寄付されます。お土産とライブ中継を愉しめ、しかも社会貢献も叶うという、至れり尽くせりのバーチャルツアー。次は何に参加しようかな…。
春先には45~60分が基本だったバーチャルツアーですが、最近は60~90分、前編・後編に分かれるものなど、超大作も増えてきた印象。「このバーチャルツアーが面白かった!」「こんなツアーもあった!」など、最新情報がありましたらぜひSNS経由でお知らせください!そして、もしどこかのツアーでお会いしましたら、その時はどうぞ宜しくお願い致します。一緒に旅を愉しみましょう!
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Aki Sato:
ジャンクフード・競馬・落語・講談を愛する旅行業界出身の元ニュース編集者。海外旅行ウィッシュリストNo.1(9/18時点)はベルギー・ブリュッセルのフライドポテト博物館。
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