旅が変わる?ニューノーマル時代の“グランピング”
「Go To Travelキャンペーン」を筆頭に、「withコロナ」や「分散型」、「マイクロツーリズム」や「ステイケーション」など、2020年の旅行業界では新たな旅行キーワードが多数誕生しました。2021年は、一体どのような旅行スタイルが受け入れられるでしょうか。
トラベルズー編集部が注目したのは、日経トレンディと日経クロストレンドが発表した「2021年ヒット予測ランキング」にて、見事1位に取り上げられた「無人駅×グランピング」という掛け合わせ。調べてみると、意外な場所をリゾート化する最新施設が生まれていました。
密回避も快適さも兼ね備えたこの「グランピング」。ニューノーマル時代を旅する2021年に向け、改めてその魅力に迫ってみましょう。
■ホテル&旅館ステイ派にもフィット
日本グランピング協会によると、「グランピング(Glamping)」とは、「グラマラス(glamorous、魅惑的な)」と「キャンピング(camping)」を掛け合わせた造語。国内で「グランピング」という言葉を耳にする機会が増えたのはここ数年ですが、海外の一部富裕層は以前から高級キャンピング宿泊施設に滞在する旅行スタイルを実践していました。国内外問わず、現在は一般旅行者にも手の届きやすい施設が増えています。
グランピングの魅力は、テントの用意や設営、食事の準備などが不要の「お手軽さ」と、ホテルや旅館のような「快適さ」を兼ね備えていること。敷地内に温泉施設があったり、食事は併設のホテル内レストランでの2食付きプランを選べたりと、アウトドア感もリゾート感も一度に味わえるのがポイントです。
2020年から今年にかけての旅行は、滞在先での「密回避」がキーワード。その点、グランピングで利用するテントやコテージは一棟一棟が独立していることが多く、大自然の中なので開放感も抜群。都会の喧騒を離れ、星の瞬きや波音に抱かれて眠るひと時を過ごせるため、新時代にぴったりな旅行スタイルと言えそうです。
その魅力に憧れ、トラベルズー編集部には実際にグランピング施設へ出かけた者も。滞在した編集部員・Sはグランピングの特長を「アウトドア感&ホテルの機能性を併せ持った快適空間」と表し、自然との一体感を覚える滞在に感銘を受けていました。
■無人駅、異業種の参入も…新スタイルグランピング
日本全国に広がりつつあるグランピング施設ですが、トラベルズー編集部ではニュース性や意外性のある施設をいくつかピックアップ。グランピングの進化を追ってみました。
- 『FIELD SUITE HAKUBA』…国内では貴重な山岳エリア×グランピング
2019年7月、アウトドアブランドを手掛けるスノーピーク社が“惚れ込んだ”北尾根高原・白馬にオープン。同社プロデュースの特別仕様テント式客室に滞在し、北アルプスの絶景に溶け込むような体験が可能。2021年のグリーンシーズンの予定営業期間は5月下旬から10月下旬と限られており、気になる場合は早めのチェックがオススメ。 - 『DOAI VILLAGE』…無人駅×グランピングの拡がりに注目
「2021年ヒット予測ランキング」1位に輝いたのが、JR東日本スタートアップとベンチャー企業「VILLAGE INC.」が手がけ、昨年11月に誕生した無人駅グランピング施設『DOAI VILLAGE』。上越線土合駅の駅舎内外を活用し、宿泊施設や飲食施設、フィンランド式サウナ施設などを併設し、インスタントハウスと呼ばれる客室はまるで繭のよう。無人駅を活用するこの取り組みが今後、どのように拡がっていくかが注目されています。 - 『里楽巣 FUJINO(リラックスふじの)』…異業種が放つグランピング提案
2020年8月、神奈川県相模原市にオープンしたグランピングサイト。手がけているのはなんと日比谷花壇。28平方メートルの広々としたドーム型テントを設置したグランピングサイトは、和風と洋風の2タイプ。いずれも山並みを望む広々としたパノラマデッキを備え、日比谷花壇ならではの植物を配したコーディネイトが光ります。
- 『グランピングヴィレッジIBARAKI』…オーシャンビュー大浴場の利用が無料
都心から車利用で約2時間10分、潮騒が心地よい北茨城の地に誕生したグランピング施設。北関東初の導入となる大型ドームテントのほか、愛犬と宿泊できるドッグトレーラー含む全3タイプのトレーラーなど、滞在シーンに合わせて客室を選択できるのがポイント。温浴施設に隣接しており、太平洋を眺めながらゆったりと入浴できるのもこの施設ならでは。
アウトドア派の旅好きの間では数年前から知られていた「グランピング」。今の旅に求められる3要素「密回避」「自然」「ホテル旅館の快適さ」を叶える滞在方法であることから、2021年以降はますます注目されることでしょう。
いまではすっかり「一人旅」が浸透したように、ワーケーションやグランピングも“当たり前”の旅行スタイルになるかも。まだの人も、リピーターも、いつか来る次の旅はグランピングを選んでみませんか。
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Aki Sato:
ジャンクフード・競馬・落語・講談を愛する旅行業界出身の元ニュース編集者。健康のためにダイエットを再開しました。
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