観光地・ホテル旅館で見る「ふるさと納税受入額」トップ10団体
総務省は8/1、令和5年度のふるさと納税に関する現況調査の結果を発表しました。ふるさと納税をきっかけに旅行を計画立てるべく、今回はこのなかで紹介されている「令和4年度におけるふるさと納税受入額の多い20団体」に注目。観光地や人気のホテル旅館情報を調査しました。
【関連リンク】総務省「ふるさと納税ポータルサイト」
■令和4年度 ふるさと納税受入額ランキング…5位内に北海道3団体
総務省自治税務局市町村税課が8/1に公開した「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和5年度実施)」によると、令和4年度の受入額実績は約9,654億円、約5,184万件。受入額の多い20団体を見ると、1位は宮崎県都城市の195億9,300万円。2位は北海道紋別市の194億3,300万円、3位は北海道根室市の176億1,300万円、4位は北海道白糠町の148億3,400万円、5位は大阪府泉佐野市の137億7,200万円となり、トップ5には北海道の3団体がランクイン。上位20団体を見ると北海道の団体はこのほか別海町が12位に入っており、北海道の“ふるさと納税人気”が垣間見える結果となりました。
■納税をきっかけに旅行はいかが…1~5位
ふるさと納税の比較サイト「ふるさと納税ガイド」はこの結果を受け、上位団体ごとの返礼品を紹介。1位の宮崎県都城市は宮崎牛や都城産豚「高城の里」、2位から4位にランクインした北海道の団体の人気返礼品にはホタテやうに、いくらといった海産物、大阪府泉佐野市は牛タン、サーモン、豚肉が挙げられています。
返礼品からその地に興味を持つのも良し、観光地から返礼品に興味を持つのも良し。トラベルズーは今回、上位のうち10団体の魅力について「旅行」の切り口から迫ってみました。
--宮崎県 都城市
宮崎県民からは「みやこんじょ」と親しまれ、鹿児島県との県境に位置する街。観光牧場「高千穂牧場」や「日本の滝100選」に選出される名瀑「関之尾の滝」、島津本家に関する史料を展示する「都城島津邸」などの観光名所があり、市から宮崎空港までは車で約30分。鹿児島空港までは約45分と、2県をまたぐ観光拠点にも便利な市と言えます。都城盆地と霧島連山を一望できる金御岳公園は市が誇る絶景スポットの一つで、秋から春にかけては盆地特有の朝霧が発生しやすく、幻想的な光景を目にできるチャンスが到来します。旅行クチコミサイト・トリップアドバイザーで都城市のホテルランキングを見ると、上位はシティ型のホテルが占めるなか、旅館では「旬の料理とお湯の宿 常盤荘」が4位にランクイン(8/9時点)。ふるさと納税でも人気の宮崎牛や宮崎ブランドポーク、霧島酒造をはじめ焼酎造りが盛んな都城らしい本格焼酎に舌鼓をうてます。
--北海道 紋別市
流氷で知られ、北海道オホーツク海沿岸のほぼ中央に位置する市。関東からは羽田空港からのANA直行便を利用すれば紋別空港まで約1時間50分でアクセスでき、空港からは市内のバスターミナル「オホーツク交流センター」との間を結ぶ空港連絡バスも運行しています。砕氷船の乗船が目当ての場合は紋別港周辺での宿泊が便利で、『紋別プリンスホテル』や『紋別セントラルホテル』が候補に挙がります。冬の印象が強い紋別ですが、夏はラベンダー、秋はコムケ湖の真っ赤なサンゴ草、3月からは蟹やホタテが旬を迎えるなど、四季折々の景色と旬の味覚が味わえるのも紋別の特長です。
--北海道 根室市
日本最東端の納沙布岬のある根室市が掲げるキャッチフレーズは「朝日にいちばん近い街」。桜前線の終着点として知られるほか、令和4年現在さんまの水揚げ金額で25年連続日本一を記録。秋には「根室さんま祭り」が開催されます。たった1両が釧路と根室を結び、日本最東端の鉄路である「地球探索鉄道」根室本線花咲線から見晴らす絶景は鉄道ファン以外にも広く知られ、根室を訪れた際にはぜひ乗車したいところ。根室駅から徒歩約7、8分の場所に佇む『ホテル ねむろ海陽亭』は朝から海鮮ネタを好きなだけ賞味できる「勝手丼」が人気で、海鮮を鍋で愉しめる「勝手鍋」、チャンチャン焼き、飲み比べの牛乳など北海道の味覚が勢揃いします。
--北海道 白糠町
釧路市に隣接。町の名前に聞き覚えがなくとも、全国的に有名なしそ焼酎「鍛高譚」の原料となる紫蘇を作っている「鍛高しそ畑」がある町、と聞くと身近に感じられる旅行者も多いのでは。夏はシジミ貝採り、冬はワカサギ釣りが愉しめる馬主来(パシクル)自然公園や紅葉が美しい庶路ダムがあり、特産品はヤナギダコ、イタリアンチーズ、鮑を柔らかくほんのり甘くしたような味で知られる灯台つぶ、北海道西部から回ってくるししゃもなど。町内の宿泊施設は多くないものの、6月下旬に開催される「港in白糠大漁祭り」や白糠町ロードレース大会に合わせて現地を訪れてみては。
--大阪府 泉佐野市
大阪市と和歌山市のほぼ中間にあたる、大阪府の泉南地域に位置する市。ふるさと納税先の自治体として根強い人気を誇りますが、旅行好きが集まるトラベルズーメンバーにとっては関西国際空港のある市、との認識が強いでしょう。関西国際空港を利用する際には、『ホテル日航関西国際』、『スターゲイトホテル関西エアポート』などが宿泊施設の候補。観光で訪れる際は臨海エリア、市街地エリア、山間エリアの3エリアが候補に挙がり、山間エリアは修験道の霊場である犬鳴山や桜の名所・大井関公園で知られます。明治20年から続く大阪・泉州タオルの産地でもあり、近年ではクラフトビール「KIX BEER」の知名度も上昇中。関西国際空港の対岸にある「りんくう公園」は夕景の名所です。
■小さな町や世界的観光都市がランクイン…6~10位
--佐賀県 上峰町
総面積は12.8平方キロメートル、人口約9,600人と、佐賀県内で2番目に小さいコンパクトな町。ブランド米「さがびより」、佐賀牛、うなぎが返礼品として人気です。源為朝の伝説が残る景勝地・鎮西山は町が誇る名所で、町の公式Webサイトのトップページではこの伝説をもとにしたムービーを視聴可能(YouTubeでも視聴可能)。主題歌はユニコーン、アニメーション制作は人気アニメを手掛けてきたスタジオ「Production I.G」と、上峰町の“プロモーション熱”には並々ならぬものを感じます。観光の際は隣接する吉野ヶ里町や近隣の佐賀市、鳥栖市、福岡県の久留米市などと組み合わせた旅程を組むのがおすすめです。
--京都府 京都市
説明不要の世界的観光都市。8/8には京阪本線の清水五条駅から徒歩約1分の場所に『ダブルツリーbyヒルトン京都東山』が開業しました。今後は『デュシタニ京都』『バンヤンツリー・東山 京都』『シックスセンシズ 京都』など外資系ホテルブランドのホテルが新規開業を控えており、京都のホテル情報からは目が離せない状況が続きそうです。ふるさと納税で人気の返礼品は旅行クーポンや宿泊券系。例えば、『アマン京都』1泊朝食付きペア宿泊券が寄付金額102万円、『翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都』1泊2食付きペア宿泊券(月の音スーペリアツイン泊)が寄付金額55万円、JTBふるさと旅行券9万円分が寄付金額30万円など。
--福岡県 飯塚市
実は私も納税したことがあるのがこの飯塚市。返礼品は、夕食の献立を考える際に心強い味方となるであろうハンバーグの詰め合わせがおすすめです。飯塚市は福岡県のほぼ中央に位置し、長崎街道の宿場町や炭鉱の町として栄えました。その名残から市内には炭鉱関連の名所のほか、江戸時代から商いをしていた許斐家が幕末から明治初期に建てた家屋である旧松喜醤油屋、回遊式庭園を持つ近代和風住宅の旧伊藤伝右衛門邸などの建造物が多く残り、“歴史探訪”にぴったり。一部ファンの間では、日本に5場しかないオートレース場の一つに数えられる「飯塚オートレース場」のある市として知られます。博多駅から新飯塚駅までは快速利用で約45~50分で、新飯塚駅から徒歩約5分の場所には『新飯塚ステーションホテル』があり宿泊に便利。
--山梨県 富士吉田市
山梨県東南部に位置。富士登山の起点である富士山五合目や「富士急ハイランド」のある市として知られ、おさえておきたいグルメはやはり郷土料理の「吉田のうどん」。市内にある新倉山の中腹に鎮座する新倉富士浅間神社から富士山を望む写真は、国内外の観光ガイドに多く採用されています。旅行クチコミサイト・トリップアドバイザーで富士吉田市のホテルランキングを見ると、1位は最上階に天然温泉の展望大浴場を備える『ホテルマイステイズ富士山 展望温泉』(8/9時点)。宿泊施設の規模や料金はラインアップ豊かで、富士急オフィシャルホテルの『ハイランド リゾート ホテル&スパ』、日本庭園と富士山を裾野まで見渡せる露天風呂が圧巻の『富士山温泉ホテル鐘山苑』など、自分好みの宿泊施設が見つかること請け合いです。
--福井県 敦賀市
明治15年に日本海側で初めて鉄道が走った町がこの敦賀。野球ファンからすると、強豪校の敦賀気比高校のある市として馴染み深いのでは。返礼品でも人気を集めるむき海老やずわい蟹などの海産物で有名ですが、農産物ではみかん栽培の北限ともいわれている「東浦みかん」のほか、150年以上の伝統野菜である「赤かんば」という赤かぶも名産です。緑豊かな住宅街兼商業地区にありながら広々とした大浴場を備える『ニューサンピア敦賀』には、北陸唯一の日本スケート連盟公式アイススケートリンク(冬期営業)があります。
納税が先か、旅行が先か悩むところですが、“ふるさと”の魅力はぜひ現地に足を運び体感してみたいですね。返礼品は各自治体が公開している専用Webサイト、もしくはふるさと納税のポータルサイトからチェックしてみてください。
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