多忙な旅好きに提案したい「10時間ワーケーション」 実感ビフォー&アフター
突然ですが、質問です。旅好きのトラベルズーメンバーの皆さんが、最後に旅行をしたのはいつですか。つい最近行ったよ!という方もいれば、最近は忙しくて全然…という旅好きもいるかも。今回はまさにその後者にあたる、多忙を極める旅好きのビジネスパーソンにぴったりな「10時間ワーケーション」を紹介します。
■ワーケーション ビフォー&アフター
「ワーケーション(Workcation)」とは、「ワーク(Work)=仕事」と「バケーション(Vacation)=休暇」を組み合わせた造語。普段のオフィスとは異なる場所で仕事をしながら、休暇も楽しむスタイルを指します。
旅行情報を扱う身にありながらお恥ずかしいのですが、私はこれまでワーケーションを体験したことがありませんでした。そんな私ですが、計画立ててワーケーションにチャレンジしてみたところ、「すぐにでもまたワーケーションに出たい」と思うほどその魅力にハマりました。不安を抱えていた「ビフォー」と、体験後の「アフター」に分け、その心境の変化を紹介します。
【ビフォー】そもそも滞在先が集中して作業できる環境か不安
【アフター】ワーケーション推奨地域を選んだことで快適に過ごせた
滞在先のインターネット環境が整っていない場合は、オンライン会議や大容量の画像ファイルのやり取りに不便が出て、作業の遅延にストレスを感じるのではないかと不安でした。「ワーク」要素のある滞在なので、通常どおりの仕事をこなせる環境は譲れません。
そこで選んだのが、首都圏からのワーケーションを推奨している自治体でのリモートワーク。神奈川・鎌倉、長野・軽井沢、静岡・浜松、和歌山・白浜、広島など、自治体が率先してワーケーションを誘致している街には、高速インターネット回線を完備しているコワーキングスペースやワークプレイスが複数あります。オープンスペースでの作業は落ち着かない、電話やオンライン会議の会話が漏れるのは困る、という場合は、個室のあるスポットを探したり、デイユース(日帰り利用)を受け付けている宿泊施設を選ぶのも手です。
トラベルズー編集部が選んだのは、新潟に住む社員と関東に住む社員が合流しやすく、温泉もあるリゾート地・越後湯沢。湯沢町は企業誘致に積極的で、ワーケーションに適した町内ワークスペースもあります。編集部としては「旅行気分も味わいたいな…」ということで、温泉旅館のデイユースプランを調べました。仲間と仕事をするのに、周りに配慮すべく自由な会話を制限して過ごすのは避けたいところ。その点、温泉旅館の1室を貸し切っての仕事は、非日常感がありながらプライベート感もあり、旅好きのチームメンバーと集中して過ごすには最適な環境でした。専用のワークスペースのほか、デイユースを受け入れているホテル旅館が複数あり、選択肢を多く持てたのはワーケーション推奨地域ならではの特徴かもしれません。
【ビフォー】オンオフを切り替えられるか不安
【アフター】通常の勤務時間を確保してメリハリをつけることができた
私自身、オンとオフの切り替えが苦手なため、プライベートと仕事の時間はしっかり分けたいな…と思っていました。ワーケーションは、リモートワークの浸透により働き方や休暇の取り方が多様化したなかで発生した働き方、または休み方のスタイルの1つなので、こうしなければならない、という決まりはありません。無理に余暇にあてる時間を探す必要はなく、いつもの勤務時間はしっかり稼働すればOK。トラベルズー編集部は始業9時、終業18時なので、今回も9~18時のうち8時間を仕事にあて、オンモードの時間を作りました。通常勤務中の同僚とのコミュニケーションもスムーズで、不便はありませんでした。
【ビフォー】Wi-Fi環境のセキュリティが心配
【アフター】公共のフリーWi-Fi以外が用意されている環境で安心できた
パブリックスペース、例えばカフェや公共施設のフリーWi-Fiは、実質8時間の長時間利用になることと回線速度、セキュリティの観点から利用を避けたいな…と思っていました。そこで今回は、事前にWebサイトや電話で滞在先のWi-Fi設備環境を確認し、拠点を選定しました。滞在先は、館内のフリーWi-Fiに加え、客室毎に割り当てられたパスワード入力式のWi-Fiがあり、不自由なく利用できました。鍵付きWi-Fiだからといって100%安全ではない、という点も理解しているのですが、一般的な選択肢としては正解だったと思います。
【ビフォー】Web会議ができる環境でないと不便
【アフター】個室のあるワークスペースか、1室を貸し切れる場所を選べば問題なし
ワーケーション時だけでなく、リモートワークの際は周りに気兼ねなくWeb会議ができる環境が欲しいですよね。トラベルズー編集部も、ワーケーション当日にオンライン会議が控えていたため、自由に発言できる環境が整っていることは作業拠点を選ぶ際に重要視したポイントの1つでした。ワークスペースによっては、オンライン会議や電話用の一時スペースがある場合や個室作業スペースを選択できる場合などがあるので、下調べの際は要チェックを。今回のように、ホテル旅館の1室や1棟貸し切り型のコテージなどを利用するのもおすすめです。
【ビフォー】仕事に没頭し、余暇を楽しむ時間を捻出するのは難しいのではないか
【アフター】いつもの昼休みを地元ランチ、終業後の時間を観光にあててリフレッシュ
やっぱり、リゾート地や観光地に行くなら、「ワーク」だけでなく「バケーション」も充実させたいところ。前述のとおり、オンオフの切り替えに不安がある場合は、いつものランチタイムと、終業後の時間を観光にあててみては。例えば、トラベルズー編集部は12~13時のランチタイムを、宿から徒歩約4分の場所にある『HATAGO井仙』内のレストラン「むらんごっつぉ」で過ごしました。限られた時間を有効活用するなら、ワーケーション先でのランチは事前に予約できると安心。予約不可の場合は、ピーク時間帯をずらした利用がおすすめです。終業後、新幹線に乗るまでの約1時間では街や駅構内を散策し、軽食やショッピングを楽しみました。
■「10時間ワーケーション」のススメ
ワーケーションを終えて見えてきたのは、仕事を理由にして、旅に出ようとしていなかった自分の姿。泊まりでの旅行が難しいなら日帰り、日帰りが難しいなら近場での贅沢ランチ、など、いろいろな方法で非日常感を味わってきましたが、今回のように旅先で仕事も遊びも十分楽しめるなら、ワーケーションは今後の選択肢として積極的に採り入れていきたいところ。
満足のいく結果となったのは、「8時間のワーク」と、ランチと終業後の計「2時間のバケーション」を組み合わせた「10時間ワーケーション」だったことが考えられます。始業時間までに現地に到着し、通常の勤務時間帯は滞在先で仕事に没頭。昼休みと終業後は地元のグルメや観光スポットを巡る…という、コンパクトなスケジュールながら仕事も旅行も一度に叶えることができました。
今度は、金曜をワークにあて、翌日の土曜を丸1日レジャーに費やす「ブレジャー」にも挑戦してみようと思います。ちなみに、ワーケーションのスタイルに決まりはないので、パソコンを持ち出せなかったり、遠隔では作業ができなかったりと、ワーケーションに向かない職種の場合は、読まずに放置してある本を読む、デジタルデトックスに挑戦してみる、思考を整理する時間を持つ、など、自分なりの課題に取り組むことを「ワーク」と考え、休暇と組み合わせてみるのもワーケーションの1つの在り方といえそうです。自分なりの働き方や休み方で、仕事と旅を楽しんでみませんか。
※情報は、発行前日の情報をもとにトラベルズー編集部が独自にリサーチしたものであり、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
※写真はイメージです。トラベルズー編集部撮影写真を含みます。