“語りたくなる”乗車体験を 特急「ひのとり」乗車体験ブログ…プレミアム車両ほか5つの魅力

特急「ひのとり」イメージ
特急「ひのとり」イメージ
2024/03/03

トラベルズーでも何度か紹介してきた、特急「ひのとり」。2020/3/14のデビュー以来、ずっと乗りたいと憧れてきたところ、先日ついにその願いが叶いました。乗車後の感想はずばり一言「これはまさにこれまでにない乗り心地」。トラベルズーメンバーにぜひおすすめしたい、5つのポイントを紹介します。

【更新情報 9/20 11:44現在】一部修正を反映しました。


■まずは近鉄特急「ひのとり」についておさらい

旅行トレンドに高くアンテナをはるトラベルズーメンバーならもうご存じかとは思いますが、改めて近鉄特急「ひのとり」について紹介を。

特急「ひのとり」は、2020/3/14にデビューした新型の名阪特急。「くつろぎのアップグレード」をコンセプトに掲げ、日本で初めて全席にバックシェルを設置したことは当時、列車ファンだけでなく旅行ファンの間でも話題になりました。紫外線や赤外線をカットする大型窓も、「ひのとり」の特徴の1つです。車両は「レギュラー車両」と「プレミアム車両」の2種類。社内にはカフェスポットや大型の荷物を収容できる無料のロッカーもあります。3号車には喫煙室もありましたが、つい最近、3/1に廃止されました。

ホームに「ひのとり」が滑り込んでくるたび、「かっこいい」「これが『ひのとり』か」と声があがっていました。ぴかぴかのメタリック塗装が印象的です

運行区間は大阪難波~近鉄名古屋間。最も早い列車は、2駅を片道約2時間10分で結びます。三重の桑名、近鉄四日市、白子、奈良の大和八木など、一部の列車のみ停車する駅もあり。過去には、鈴鹿サーキットで行われた「2023 F1日本グランプリ」に合わせ白子駅に停車する列車が運転されたり、年末年始には終夜運転が行われたりと、臨時列車が運転されたこともあります。

特急「ひのとり」路線図(画像参照 近鉄 https://www.kintetsu.co.jp/senden/hinotori/)

気になるのは、乗車料金。特急「ひのとり」の乗車には、ほかの近鉄特急と同様に、普通運賃(乗車券)特急料金に加え、「ひのとり」の特別車両料金(レギュラー車両とプレミアム車両で異なる)が必要です。例えば、大阪難波~近鉄名古屋間を特急「ひのとり」のレギュラー車両で移動した場合、普通運賃は2,860円、特急料金は1,930円、特別車両料金は200円で、合計4,990円。プレミアム車両の場合は、普通運賃2,860円と特急料金1,930円に加え、900円の特別車両料金が必要なので、合計は5,690円となります。

2024/2/29時点の料金(トラベルズー編集部作成図)

つまり、同じ乗車区間であれば、追加700円でレギュラー車両からプレミアム車両へアップグレードできるということ。レギュラー車両でも十分な寛ぎが得られますが、もし空いているのであれば、プレミアム車両の選択をおすすめしたいですね。


■特急「ひのとり」 乗って感じた5つの魅力

私が乗車したのは、近鉄名古屋駅を出発する「ひのとり」。乗車して数日が経ちますが、名阪方面を旅行する際はまた乗りたい、と、すでに「ひのとり」のトリコになっています。その魅力は5つ。

(1)簡単に予約でき、スマートに乗車できる気軽さ

予約と購入は、「近鉄電車 インターネット予約・発売サービス」、近鉄駅窓口・旅行会社などで可能。駅の窓口は混み合う場合があるので、旅行の際はインターネットサービスの利用がおすすめです。チケットレスなので、駅でチケットを受け取る必要もなく、改札を通過したあとは購入した車両へ向かうだけ。初めての利用でも、難なく乗車できました。毎回争奪戦となるのは、進行方向に向かって先頭となるプレミアム車両だとか。名古屋方面に向かう場合は1号車のプレミアム車両、大阪方面に向かう場合は、編成数により6号車または8号車のプレミアム車両が該当します。

(2)“周りを気にしすぎて疲れる人”にこそ最適なバックシェル

レギュラー車両を含む全席がバックシェル型の座席なので、シートを最大にリクライニングしても後ろの座席に迷惑がかかりません。これ、実は結構重要なポイントだと思っています。座席をリクライニングしたいけど、後ろに配慮するあまり数センチしか倒せず、首や肩、腰が痛くなりがち…という人こそ、その良さが分かるのでは。「ひのとり」なら、そんな気疲れは無縁で、思う存分席をリクライニングできますよ。

座席の前後間隔は116センチ。近畿日本鉄道のレギュラー席としては最も広いスペースが確保されています。全席にコンセントあり

(3)車窓からの景色をゆっくり、たっぷり楽しめる

JR名古屋~JR新大阪間は、東海道新幹線「のぞみ」を利用すると片道約47~50分。一方、「ひのとり」は最も速くても2時間10分程度かかるので、スピードでは新幹線に軍配があがります。その点、「ひのとり」は速度ではなく、まずは「乗ることを楽しむ」要素が強いと感じました。その理由は、大きな窓。大阪方面に向かう「ひのとり」では木曽川や公園で遊ぶ子どもたち、名古屋方面に帰ってくる「ひのとり」では大きな満月と工業地帯の夜景の“共演”が見えたりと、窓から眺める景色もまた思い出に残るものでした。

紫外線や赤外線をカットする大型窓。この写真はレギュラー車両のものですが、プレミアム車両は窓のカーテンが電動式でした

(4)車内設備にもワクワク

レギュラー車両とプレミアム車両の間にあるカフェスポットにも注目を。自販機のラインアップは、挽き立てのコーヒーは200円、オニオンスープは150円など。ソイジョイなどの軽食もありました。ちなみに、このカフェスポットで販売されている「ひのとり」のメタルキーホルダーですが、駅営業所やネットショップでは完売しています(2/29時点)。乗車の際は、ぜひゲットを。1個800円です。

写真右側にあるのが、無料で利用できる大型荷物用のロッカーです

(5)プレミアム車両の“プレミアム感”は本物

本革ながらふかふかのシートに身を委ねた瞬間には、包み込まれるような乗り心地に思わず「おお…」と声が漏れました。幅の広いひじ掛けがあり、リクライニングや窓のカーテンの開閉はすべてコントローラーで調整可能。シートには読書灯のほか、腰のあたりがじんわりと温まるヒーターまで搭載されており、「これぞプレミアム」と納得の快適さでした。通常より床が高いハイデッカー構造で、大きなガラス窓があることから、開放感にも優れている車内もいいですね。進行方向先頭のプレミアム車両の最前席なら、さらに1ランク上の乗車体験が叶いそうです。

プレミアム車両は、座席の前後間隔が130センチと、レギュラーシートよりさらに広々。2列+1列の造りで、1名シートでは仕事や読書をする乗客の方の姿が見られました

特急「ひのとり」に乗車するうえで注意したいポイントを挙げるなら、出発時刻でしょうか。近鉄名古屋発の場合、平日は7:00から21:00まで1時間に1本の計15本、土・休日は7:00から21:00まで1時間に約1本(各時00分発以外に、8:20/16:25/17:25/18:25もあり)の計19本の運行なので、乗車時間には要注意です。「ひのとり」が目当てであれば、乗車時刻に合わせた旅を計画してもいいですよね。

わたしはいま、「ひのとり」の乗車体験をきっかけに、全国の特急列車や観光列車に乗ってみたい、と思い始めています。トラベルズーメンバーの皆さんが感動した列車があれば、ぜひ教えてください!

「ひのとり」乗車の際は、カフェスポットの利用もお忘れなく!

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※写真はイメージです。一部、トラベルズー編集部撮影画像を含みます。

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