Googleが完敗?! 宿泊予約は公式サイトがおすすめの理由【編集部に聞きました】

2022/09/17

今年5月にGoogleがホテル予約サービス「Book on Google」の閉鎖を発表する[1]など、今ひそかに旅行手配の動向が変わりつつあります。思えば学生時分は皆でAbroadやじゃらんの雑誌を見てお得な航空券や宿泊施設を探し、新宿のHISや有楽町のJTBで予約をしていました。今は家にいながら簡単に旅行の手配をできるようになりましたが、インターネットでの予約手段も増え、皆さんはどうされていますか?ということで今回は、最近の旅行手配の最善手について編集部に聞きました。返ってきたのは“宿泊施設の公式サイトで予約する”という回答。えっ、 楽天トラベルやじゃらんでの予約に慣れている私としては、なぜ?

それでは、旅のプロが公式サイト予約をおすすめする秘密を解き明かします。


公式サイトの予約なら特別な旅をアレンジできる

・湯河原に毎年宿泊していた際に、部屋番号、食事内容等々こちらが言わずとも同じものを用意してくれて、宿泊前に「どうしますか?」とメールや電話でプラン内容の変更やちょっとしたリクエストも聞いてくれる。(Hideomi Kiyose)

・宿泊施設と直接やりとりができ宿泊予約後のアレンジがしやすく、密にすり合わせをすることで良質な体験ができる。宿泊予約サイト経由の場合、プラン内容や日程の変更がとっても大変なことがあり、キャンセル完了まで2日間かかったことも。。。(Shino Tanaka)

・大切な瞬間に期待通りの特別なアレンジがしたいときには、スムーズにやり取りを行える公式サイト予約に限る(Keisuke Sato)

・公式サイトからの予約でホテルが独自に実施している会員プログラムのサービスを受けられる。一部のマニアには“ホテル修行”とも呼ばれていますが、利用した宿泊料金が既定の料金を超えるとランクが上がって優待が増えていく仕組みで、例えばチェックイン時に部屋が無料アップグレードされたり、スタンダードルームの宿泊でもホテル内のクラブラウンジを無料で利用できシャンパンやアフタヌーンティーを楽しむことができる。(Keisuke Sato)

・今度、母の還暦と父の退職祝いを兼ねた旅行の手配を、旅館の公式サイトから予約しました。すぐに予約係の方が連絡(メール)をくださり相談ができました。0歳~65歳までの3世代旅行なので、なにかあれば相談できるのはとても心強く、宿泊予約サイトから予約するときより、旅館との距離(心の)が近いと感じます。自身の体験例ですが、こういう機械的ではない人との関係性が、価格では測れないバリューなんだなと思いました。(Maki Iseda)

・予約は必ず公式サイト経由というお客は宿内でも話題になるもの。宿泊履歴が蓄積されていくので施設側にも自分の好みや傾向が伝わり、通えば通うほど居心地の良い滞在に。(Aki Sato)

『il Azzurri 』 昨年7月、西伊豆に開業したリゾートホテルに滞在。露天マイクロバブルバス付き含む3つの客室を同額で選択可能。滞在中のフリーフローと朝食付き

ハイシーズンや間際でも公式サイトなら予約ができる

・ハイシーズンや土曜祝日、大型連休といった人気の日程は公式サイトで優先的に販売するという宿泊施設は少なくありません。宿泊予約サイトでは予約ができなくても(満室表示)、宿の公式サイトであれば予約ができることもあり、人気の日程に宿泊したい場合は公式サイトを覗いてみるのがオススメです。(Aki Sato)

・突然の旅行を思い立ち、出発前夜に『明日からどこかに行こうか』となった際に頼りになるのが公式サイト。宿泊予約サイトでの販売は、空室管理の関係で、宿泊日の数日前に予約を締め切ってしまうことが多々。その点、公式サイトは当日でも予約が可能なことも多く間際予約の強い味方。(Shihoko Akahira)

『軽井沢倶楽部 ホテル軽井沢1130』 黄褐色の源泉かけ流し温泉が愉しめる高原リゾート。広々56平米客室での部屋食へも変更できるブッフェ2食付き。土曜&紅葉期も含む全日同額

公式サイトが一番お得で最も旬

・公式サイト予約のBest Rate Guaranteeが増え、公式サイトが一番お得な場合が多い。最低価格保証や公式サイト限定特典を謳っているホテルサイトが多いため、予約の際は公式サイトも必ずチェック(Hideomi Kiyose)

・ワンドリンク、貸切風呂無料、アーリーチェックイン・レイトアウトなど、公式サイトからの予約はさらに特典が付くことも。お得かつお値打ちに宿泊したいなら、まずはぜひ公式サイトを覗いてみては。(Aki Sato)

・公式サイト限定プランや、キャンセルが出たので特別価格で提供!といった情報を入手できるのは公式サイトならでは。宿からの情報をいち早く受け取ることができ、プラン情報と一緒に、今どんな料理がおすすめなのか、どんな観光がイチオシなのかなど+αの情報も多く、旬な旅の楽しみ方を知ることができる。(Mami Kurobe)

『おとぎ亭光風 』 1室1.4万得 南信州 美肌の湯注ぐ温泉宿 7タイプ同額×雲海玉手箱×貸切風呂×日本一の星空さんぽ

なるほどですね。確かに自社サイトで直接予約してもらえる方が宿泊施設にとっては経済的メリットがあり、料理やサービスで還元できればリピート客も増える好循環になりそうです。冒頭の「Book on Google」(ホテル予約サービス)を閉鎖する理由の1つとしてGoogleは、ユーザーがコンテンツを重視するようになり、公式サイトでの予約が増えていることを上げています[1]。スマートフォンや5Gの普及で、情報の質が高い公式サイトが好まれるようになっているそうです。加えて宿泊施設が、販売チャネルごとにプランの特徴を出しやすくなったという背景があります。他の予約サイトと同等以下の価格を宿泊施設に要請する「最低価格の保証」条項の取りやめを宿泊予約サイトに求め、2019年に公取委が数社への立ち入り調査を実施し確約手続を通知しました[2]。インターネットが普及し宿泊予約サイトで手配ができるようになった頃はそれだけでとても便利に感じたものですが、コンテンツや予約手段も多様になり、最近は予約手段も旅の目的に合わせて楽しく選べるようになっています。

トラベルズー編集部は、旅行がもっと楽しくなる!旅と観光の最新トレンドを紹介しています。編集部に聞きたいこと、質問したいこと、相談したいことなどなど、問合せ窓口までご連絡ください。【問合せ窓口】support_jp@travelzoo.com


[1]トラベルボイス、「グーグル、ホテル予約サービス「Book on Google」を終了、2022年5月に閉鎖へ」、2022年02月28日
[2]トラベルボイス、「宿泊施設に対する「最低価格保証」問題、OTA3社の公取委の調査終了、エクスペディアの改善計画を提出」、2022年06月06日

人気のページ