本当は教えたくない“ブレイク寸前”の旅先

順天・順天湾自然生態公園のイメージ
順天・順天湾自然生態公園のイメージ
2020/01/29

旅行をこよなく愛するトラベルズーメンバーに向け、毎週20本の厳選した旅行情報を配信しているトラベルズー編集部。締め切りに追われながらも、常にどのような情報で喜んでもらえるかを考えています。それもそのはず、メンバーの9割は旅行の予定がないときでさえ旅行情報をチェックしているほどの旅行フリーク 。「メジャーな旅行先は国内外とも行きつくした」「知っている場所の知らない情報を知りたい」という声もあり、生半可な情報では満足してもらえないのです。

そこで今回は、ネットでも雑誌でも詳細な情報がないのに、現地では“ブレイク寸前”との熱視線を浴びているとっておきの旅先をピックアップ。「全羅南道」と書くこのエリア…、ご存知ですか?

通もガイドブックも未開拓な“グルメの国の台所“

韓国の南西部・全羅道(チョルラド)に位置し、海を挟んで済州島と向かい合う湖南地方、それが「全羅南道(チョルラナムド)」。沿岸にはまるで宝石を散りばめたように大小1,900あまりの島々が浮かび、国内屈指の名山と田園風景が織り成す内陸の景観は日本の農村風景と重なる懐かしさを持つエリアです。

沿岸部では複雑に入り組むリアス式海岸が育んだタコやエイが豊富に獲れ、海産物や香辛料を使った全羅南道料理はグルメの国・韓国のなかでも“韓国の台所”として一目置かれる存在。近年ではアニメや映画のロケ地として知名度が急上昇しているうえ、ソウル市内や仁川空港からKTX高速列車で移動できるアクセスの良さも手伝って、“次の済州島”ともささやかれているとか。

豊富な観光資源に恵まれ、新しい観光名所の誕生などで話題に事欠かない一方、全羅南道に注目したガイドブックや特集はまだ数えるほどであることも事実。今回は、そんな知る人ぞ知る全羅南道について、どこよりも早く・詳細に主要都市の特徴やアクセスを一挙公開!まだ知られていない全羅南道の秘密を、一緒に解き明かしてみませんか。

干潟や港湾都市が織り成す“自然派”の全羅南道イーストサイド

麗水(ヨス)…2012年に世界博覧会が行われた港湾都市。日本人にもおなじみのカンジャンケジャン(カニのしょうゆ漬け)やテンジャンケジャン(カニのみそ漬け)、ヤンニョムケジャン(カニのオリジナル辛みそ漬け)などが有名で、ソウルっ子が「ソウルでもなかなか食べられない美味しいものの宝庫」と称するエリア。韓国初の海の上を渡るロープウェイや海原を一望できるルーフトップカフェがあり、「韓国一の美港の町」との呼び声も。済州人気に「待った」をかけている、最新トレンドの“顔”と言えます。

順天(スンチョン)…世界5大沿岸湿地の一つである順天湾があり、全羅南道の交通要所地。ラムサール条約に登録されている順天湾自然生態公園は海と繋がっており、潮の満ち引きも見られる珍しい自然観光地。ツルも飛来する景観豊かなエリアで、のんびり静かな旅をしたいならうってつけです。

光陽(クァンヤン)…麗水、順天と並ぶ、全羅南道3都市のうちの一つ。プロサッカーリーグ「Kリーグ」のスタジアムがあり、スポーツ好きには馴染みのある場所。 2017年7月には廃線トンネルをリノベートした「ワイン洞窟」が誕生し、今ではすっかり韓国国内の人気観光地として定着しました。

“アクティブ派”ならイベントも観光もぎっしりの全羅南道ウェストサイド

珍島(チンド)…トラベルズー編集会議でのリサーチがヒートアップしたのが、この珍島。韓国版「モーセの奇跡」と言われる「海割れ」現象が有名で、日本では天童よしみさんの歌「珍島物語」にも詠われた景勝地です。毎年3月末~4月にかけての4日間に、年に1度だけの「珍島海割れ祭り」が開催。干潮時にのみ出没する「神秘の路」約2.8kmを対岸の島まで歩けるのは貴重な体験。海割れでできた道を歩いて渡り、離れ離れになった家族に会いに行った…というおばあさんの伝説が残っており、日本からも海割れを目的としたツアーが組まれています。

羅州(ナジュ)…35週連続視聴率1位という驚くべき記録を残した韓国の人気ドラマ「朱蒙」のロケ地。高句麗の歴史文化展示や乗馬体験など、高句麗人の伝統と歴史を体験できるのどかなエリアで、梨の名産地としても知られます。

木浦(モクポ、モッポ)…日本人街も残る、朝鮮半島最西端の港町。複数の沿岸航路の中心であることから、済州島をはじめ約165の島へ旅客船が運航されています。標高約228mの山・儒達山(ユダルサン)はちょっとした山登りにもピッタリ。

気になるアクセス方法は?

2020年1月現在、日本から全羅南道を目指すにはソウルを経由する方法が最適。ソウルから全羅南道地域へ移動する方法は、大きく分けて鉄道・バス・航空の3種類あり、お手軽なのはソウル市内発着の「KTX高速列車」。ソウルの龍山駅から全羅南道の羅州には、片道約2時間半、約48,200ウォン(約4,610円)ほどでアクセス可能です。移動時間を削減したい場合は、わずか1時間ほどで到着でき金浦~麗水間のチェジュ航空の利用が便利です。

なお、広いエリアを効率よく巡るなら、外国人の為の「南道一周バス」がオススメ。座席に着いているだけで、景観豊かな全羅南道を隅から隅まで効率よく移動できるうえ、ランチや郷土食作りなどの食体験も可能。全21コースのなかには日本語に対応しているコースもあり、“南道デビュー”にはうってつけです。

トレンド前だからこそ見られる景色を

グルメも景色も話題性もありながら、日本ではまだまだ隠れた名所と言える「全羅南道」。旅のエキスパートが揃うトラベルズー編集部でさえ、私が共有した「全羅南道」の文字に「ぜんらなんどう、かな?」「どこにあるんだろう」「何があるの?」「どうやっていくの?」と多数の質問が飛び交う状態でした。足しげく韓国に通う旅行通でも「行ったことがない」という未開拓の地で、日本ではまさに“ブレイク寸前”の街。旅行トレンドの最先端情報を隠し持っておきたいトラベルズー編集部としては、まだまだ秘密にしておきたいエリアではあるものの、いつもの旅行情報では物足りない…という旅好きのトラベルズーメンバーにだけ、先行公開してみました。

幸い、2020年1月時点では関西国際空港発の全羅南道ツアーが販売中。次の旅先は、定番よりも話題よりも、 他の旅好きの一歩先を行く“ブレイク寸前”の全羅南道を旅してみませんか。


※情報は、発行前日の情報をもとにトラベルズー編集部が独自にリサーチしたものであり、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
※写真はイメージです。

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